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マクログロブリンと呼ばれるIgM抗体が単クローン性に異常増加する(M蛋白)疾患で良性と悪性の状態があります。一般に、緩徐な発病と経過をとります。症状としては、全身倦怠感、体重の減少、貧血などが現れ、進行すると、やがて全身の臓器に障害が現れてきます。シェーグレン症候群に合併することがあります。
免疫作用を担う白血球の一種です。体内に侵入した病原菌などの異物(抗原)を取り込んで消化させる食作用と呼ばれる機能を有しています。大量の異物(抗原)を取り込む容量があるため、貪食細胞と呼ばれています。また、取り込んだ異物(抗原)の断片を細胞の表面に出現させ、異物(抗原)が何であるかを他の免疫細胞に提示するという大切な役割を担っています。
中枢神経系(脳・脊髄)から、内臓、血管、筋肉、体液分泌腺などの末梢器官へ指令を伝達したり、逆に末梢の感覚器官からの情報を中枢神経系に伝達したりする中枢神経系以外の神経系のことです。
四肢末端の感覚異常、運動障害など、末梢神経が担当する領域に障害が生じる疾患の総称です。様々な原因で生じる疾患ですが、まれにシェーグレン症候群に合併することがあります。
自己免疫系が甲状腺を攻撃して障害が起きる自己免疫疾患の一種です。発症すると特異な自己抗体(自分の甲状腺組織に対する抗体)が血中に出現するのが特徴で、甲状腺機能は徐々に低下します。他の自己免疫疾患を合併することが多いことも知られています。シェーグレン症候群に合併をすることがあります。
19世紀末から20世紀初頭の近代医学創成期に活躍をしたポーランドの外科医で、当時世界的に有名な外科医であったビルロート博士に師事していたことでも知られています。「ミクリッツ病」は、同博士が執刀した唾液腺腫脹の患者さんを契機に付けられた病名ですが、当時の多くの医師達が、唾液腺腫脹を有する患者さんにこぞってミクリッツ病の診断名を付けたため、混乱が生じたこともエピソードとして残されています。その後、様々な議論がありましたが、欧米では、「ミクリッツ病はシェーグレン症候群の一部である」とする考え方が支配的ですが、ミクリッツ病はシェーグレン症候群の一部ではなく「全身性IgG4関連疾患」として日本から世界に発信された新しい疾患概念であることが認められました。副腎ステロイド薬の中等量が有効です。
免疫を抑制する薬剤で、抗リウマチ作用が軽度の薬剤に分類されます。現在シェーグレン症候群にも部分的に使用されています。
血管や臓器を形成する平滑筋の調整、涙液や唾液の分泌調整などを行う細胞表面のレセプターのことです。この部位が刺激を受けると、涙液、唾液などの外分泌が促進されます。
別々の機会あるいは研究者によって行われた複数の研究成果を質的評価と統計学的処理を行うことで統合させ、何らかの傾向や結論を導き出す研究方法です。EBM(Evidence-Based Medicine:科学的根拠に基づく医学)の評価によく用いられる方法で、疾患の標準的治療法が見出されることもあります。ただし、この手法を正しく実践するには、統計学に関する深い知識と、疾患や治療法に関する専門知識の両者が必要であり、高度かつ総合的な分析力を要します。
作用時間が中程度のタイプに属する副腎皮質ステロイドです。副腎皮質ステロイドの中では、抗炎症作用、抗リウマチ作用とも中程度です。プレドニゾロンの化学構造の一部を変化させた物質で、作用が強められています。
抗リウマチ薬に属し、抗リウマチ作用が強力な薬剤に分類されます。英語名Methotrexateを略して、MTX(エム・ティー・エックス)と呼ぶこともあります。効力が強い分、副作用にも注意を要しますので、専門医による経過観察が大切です。
米国国立医学図書館が保有する文献データベースです。医学関連誌を3800誌以上をカバーし、データ保有量が1100万件を上回るという膨大な情報量を誇ります。ただし、日本語の医学関連誌は一部(英訳されているものの一部)しか収録されておらず、ほとんどのデータが英語での収録です。インターネット上で無料公開されており、利用者制限も全くないために英語圏の患者さんには熱心な利用者もいるようです。利用に際しては、PubMed(パブメド)(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/PubMed/)と呼ばれる検索システムなどを利用します。
非ステロイド性抗炎症薬に属し、「アントラニール酸系」の薬剤として分類されます。
免疫反応に関係する血中の抗体たんぱくの総称です。IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類があり、それぞれが役割を持っています。
◆IgG:血液中に最も多く、抗体の中心的な役割を担っています(サブクラスとしてIgG1、IgG2、IgG3、IgG4があります。)。
◆IgM:免疫作用において、抗体の中では最も初期に生成・動員されます。
◆IgA:唾液、鼻汁、母乳、尿などに含まれ、主に粘膜組織の防衛を行っています。
◆IgE:特定の食物、花粉、寄生虫などに反応します。アレルギー性疾患に主たる働きを有しています。
◆IgD:主にB細胞の膜表面にあり、生体内での作用は現在不明です。
異物(抗原)に抗体が結合した状態です。ここに、補体と呼ばれる免疫関連たんぱくが結合すると好中球やマクロファージなど、異物(抗原)への高い攻撃性を有した免疫担当細胞が集まってくるようになり、免疫反応がさらに高まります。自己免疫疾患では、自己のある組織に対して抗体(自己抗体)が結合するという異常な免疫複合体が形成され、さらにここに補体が結合することで免疫反応が高まり、自己の組織に傷害が発生します。
自己免疫疾患などによって、過剰に作用を起している免疫反応を抑制する目的で使用します。また、臓器移植後の拒絶反応を抑制し、移植した臓器をうまく生着させる目的でも用いられます。
眼乾燥症(ドライアイ)の患者さん向けに作られた保湿加工を施した特殊な眼鏡です。構造としては、眼鏡の縁をゴーグルのようにおおって涙液の蒸発を防ぎ、さらに加湿用のスポンジを付けることで、湿潤を保ちます。
粘膜関連リンパ組織(MALT)に発生するリンパ腫の一種で、非常にゆっくりした速度(5〜10年)で進展することが特徴です。シェーグレン症候群に合併することがあります。