トップページ > 関連医学用語集

関連医学用語集

あ行

RA(アール・エー)

関節リウマチ(Rheumatoid arthritis)の略称です。関節のこわばり、腫脹などの炎症症状を特徴とする自己免疫疾患で、代表的膠原病の一つです。全身の関節が多発性かつ左右対称性に傷害されるのが特徴です。シェーグレン症候群との関連もあり、関節リウマチの約5人の1人がシェーグレン症候群を合併しているといわれています。

RF(アール・エフ)

関節リウマチの患者さんの約80%に検出される自己抗体(抗体たんぱくの中のIgGに対する抗体)であるリウマトイド因子(Rheumatoid factor)の略称です。シェーグレン症候群の患者さんでも約60%に検出されるため、診断の参考になります。ただし、全ての患者さんに検出されるわけではなく、他の多くの疾患でも検出されることがあるため、専門医が他の検査項目の結果などを見ながら総合的に解釈をする必要があります。

赤い平らな舌

シェーグレン症候群の口腔乾燥症(ドライマウス)の状態をこのように表現することがあります。舌が乾燥し、舌の表面にある舌乳頭が萎縮した状態を指しています。年齢の若い患者さんには比較的少ない症状です。

悪性関節リウマチ

関節リウマチの中で、血管炎(血管の炎症)が生じ、様々な臓器に障害が起きる病態のことです。発症頻度は、関節リウマチの0.5〜1%とされ、特定疾患に指定されています。

アクタリット

抗リウマチ薬に属し、抗リウマチ作用が軽度の薬剤に分類されます。現在はあまり使用されません。

朝のこわばり

起床後しばらくの間、関節を動かすと、通常と違った抵抗感や違和感がある状態がしばらく続くという症状です。しばしば関節リウマチの患者さんに見られますが、シェーグレン症候群の患者さんにも発生することがあります。関節リウマチでは持続時間が1時間以上になることが多く、両手に起きるのが典型的ですが、他の部位の関節でも生じることがあります。発生の機序としては、就寝によって関節の動きが減少したために関節内の滑りが悪くなるという一時的な不調が生じるためと考えられています。

アスピリン

非ステロイド性抗炎症薬の代表的薬剤です。炎症の抑制、解熱鎮痛、虚血性心疾患の予防など、古くから様々な領域で使用されています。また、「アスピリン」と「ダイアルミネート」という胃薬を2層に混和させた配合剤は、「バファリン」の商品名で広く知られています。

アセメタシン

非ステロイド性抗炎症薬に属し、吸収されて代謝されてから効力を発揮するプロドラッグで、「インドール酢酸系」の薬剤として分類されます。胃腸障害が少ないとされています。

アネトールトリチオン

胆汁分泌を促進する薬です。唾液分泌促進作用もあることから、シェーグレン症候群に伴う唾液分泌減少の改善にも使用されます。

アラキドン酸

炎症の四大徴候(局所の発赤、熱感、腫脹、疼痛)発生の際の大きな要素であるプロスタグランジンという物質が体内で合成される際の元(原料)となります。具体的には、生体内でアラキドン酸は、シクロオキシゲナーゼなど、いくつかの酵素によって化学的変化を遂げていき、プロスタグランジンが生成されていきます。

アンピロキシカム

非ステロイド性抗炎症薬に属し、「オキシカム系」の薬剤として分類されます。

アンフェナクナトリウム

非ステロイド性抗炎症薬に属し、「フェニル酢酸系」の薬剤として分類されます。

アンブロキソール(アンブロキソール塩酸塩)

急性及び慢性の気管支炎、気管支喘息などの痰を除去する薬です。

EBM(イー・ビー・エム)

英語のEvidence-Based Medicineの略称で、科学的根拠に基づく医学を意味し、近年盛んに問われるようになった概念です。情報解析医学的な側面が大きく、医師は過去に行われた治療に関する総合的な研究結果について質的な評価と統計学的な分析をした上で、最良であるという証拠に基づいた治療法を選択していくことが求めれます。

萎縮性胃炎

胃粘膜に慢性炎症があり、胃液を分泌する胃腺とよばれる分泌腺が萎縮・減少している状態になっている疾患です。胃炎、胃潰瘍などを起す細菌として知られるヘリコバクター・ピロリ菌によっても起ると言われています。シェーグレン症候群の患者さんでも認められる疾患で、胃腺がリンパ球浸潤によって障害を受けるのが原因と考えられています。

遺伝的素因

遺伝により、同一家系内に特定の疾患が起りやすいことを意味します。過去の疫学調査から、シェーグレン症候群の遺伝による発病は2%以下であることがわかっています。すなわち、近親者に発病者がいても発病しないのが普通で、他の素因の影響が大きいことが示唆されています。具体的な他の素因としては、環境因子(ウィルス等)、免疫異常、ホルモンなどが考えられ、これらが複合的にからみあって発病に至っているのではないかと推定されています。

イブプロフェン

非ステロイド性抗炎症薬に属し、「プロピオン系」の薬剤として分類されます。

インターロイキン

免疫細胞を中心とした様々な細胞から分泌される生理作用を有したたんぱく(サイトカイン)の一種であり、様々な種類のものが発見されています。それぞれに番号が付けられていて、IL-(Interleukin-)と表記されます。関節リウマチなどの自己免疫疾患では、IL-1、IL-6など炎症に関与しているタイプのものが増加していることがわかっています。

インドメタシン

非ステロイド性抗炎症薬に属し、「インドール酢酸系」の薬剤として分類されます。

ウィルス性関節炎

ウィルスによって起る関節炎です。風疹ウィルスのように直接炎症を起すものや、免疫系に異常を与えた結果として炎症を起すものがあります。

うがい薬、トローチ薬

口腔内殺菌のための薬で、口内炎、舌炎などに用いられます。シェーグレン症候群の口腔乾燥症(ドライマウス)では、唾液分泌量の減少によって、本来唾液が果たしていた口腔内の清浄作用や殺菌作用が不十分になります。そこで、うがい薬やトローチ薬で口腔内の衛生状態のケアをすることが必要となります。

AST, ALT(GOT, GPT)

それぞれ、GOT, GPTと同義語の新しい呼び方です。ともに、トランスアミナーゼと呼ばれる生体組織に広く分布している酵素ですが、肝臓に傷害が起きると血液中に漏出して検出される量が増加するため、肝機能検査の指標として用いられます。肝臓病のみならず、副作用として肝臓に傷害を与える薬もあるため、薬を長期にわたって服用する際には、定期的にこの値をモニターする必要があります。
◆AST(GOT)基準値:10〜40単位
◆ALT(GPT)基準値:5〜45単位

液性免疫

免疫グロブリン(抗体:IgG、IgM、IgA、IgE、IgD)によって行われる免疫反応のことです。

ACR(エー・シー・アール)

米国リウマチ学会(American College of Rheumatology)の略称です。リウマチ性疾患の命名や分類などを行っており、これらは国際的な基準として広く使われています。WHO(世界保健機関)のリウマチ国際分類も、実際には本学会の実行委員が策定・改訂したものです。シェーグレン症候群関連の発表もよく行われている世界的に有名な学会です。

壊死

体の組織・器官を形成する細胞が死滅した状態のことです。細胞が大量に死滅してしまった組織では、組織が本来有している機能ができなくなり、障害が生じます。

SS(エス・エス)

シェーグレン症候群(Sjogren's syndrome)の略称です。

SSc(エス・エス・シー)

強皮症(全身性硬化症)の英語名Systemic sclerosisの略称です。皮膚が硬化する膠原病に属する疾患で、四肢末端から症状が発生します。レイノー現象と呼ばれる皮膚の異常症状がよく起るのが特徴です。同時に、全身の臓器にも、線維化とよばれる変性が生じることによって障害が発生します。シェーグレン症候群を合併することがあります。
※レイノー現象:冷感、感情の起伏などに対して四肢の血管が敏感に反応して蒼白になり、次いで紫色になって、ピリピリしたり痛んだりする皮膚の血流の異常症状。

SLE(エス・エル・イー)

しばしば、Systemic lupus erythematosusを略してSLEと呼ぶことがあります。膠原病に属する全身性の炎症症状を起こす自己免疫疾患で、若い女性患者の割合が高い特徴を有します(男性の約10倍)。鼻の付根部分から両ほおにかけて広がる紅色の皮疹が現れることが多く、ちょうど蝶が羽を広げたような形であることから、蝶形紅斑とよばれています。シェーグレン症候群を合併することがあります。

エストリオール(エストリオールプロピオン酸エステル)

卵胞ホルモンの一種で、更年期障害、膣炎などに用いられます。

SPF(エス・ピー・エフ)

日焼け止めクリームの効力を示す指数です。Sun Protection Factorの略で、サンケア指数とも呼ばれています。皮膚を紫外線から保護するためには、SPF(Sun Protection Factor:サンケア指数)が15以上の商品が良いとされています。しかし、実際に日焼け止めクリームを塗る際には、化粧品会社がサンケア指数の算出を行った塗布量より少なめに使用する方もいることを考えると、SPF30以上の製品が良いと考えられます。

HLA(エイチ・エル・エー)

ヒト白血球抗原(Human leukocyte antigen)のことです。ヒトの白血球表面上にある糖たんぱく質であり、遺伝子によって人それぞれの型が決まります。血液型は、赤血球の型によって分類されていますが、これとほぼ同様の概念です。シェーグレン症候群や関節リウマチの発生機序との関連が示唆されており、研究が進められています。

HLA-DR

ヒト白血球の表面上にある糖たんぱく質(HLA:ヒト白血球抗原)を生成する遺伝子です。近年の研究では、特定のタイプの遺伝子型と自己免疫疾患の発症に相関があることが指摘され、研究されています。
◆HLA-DR4:関節リウマチの発症率上昇
◆HLA-DR3:シェーグレン症候群の発症率上昇(欧米)
◆HLA-DR8,HLA-DR53:シェーグレン症候群の発症率上昇(日本)が知られています。しかし、これらの遺伝子型を有しながらも発症しない人が多数いることや、逆にこれらの遺伝子型を有していないのに発症している人も少なくないことから、発症にはこれら以外の素因も関与していると考えられています。

エトドラク

非ステロイド性抗炎症薬に属し、プロスタグランジン合成阻害作用を有する「ピラノ酢酸系」の薬剤として分類されます。

エヌセイズ(NSAIDs)

アスピリン、インドメタシンに代表される副腎皮質ステロイドに属さない抗炎症薬の総称で、英語名Nonsteroidal anti-inflammatory drugsの略です。数多くのものが開発されており、作用時間、作用の強さなどの効力に関して様々の薬剤があります。全般的に、抗炎症作用は副腎皮質ステロイドに比べると効力は弱めで、解熱・鎮痛作用をあわせもっているものが多く存在しています。また、使用に際しては、胃粘膜など消化管に対する副作用に注意を要します。

Evidence-Based Medicine(エビデンス・ベイスド・メディスン)

略してEBM(イー・ビー・エム)といいます。科学的根拠に基づく医学を意味し、近年盛んに問われるようになった概念です。情報解析医学的な側面が大きく、医師は、過去に行われた治療に関する総合的な研究結果について質的な評価と統計学的な分析をした上で、最良であるという証拠に基づいた治療法を選択していくことが求めれます。

エピリゾール

非ステロイド性抗炎症薬に属し、「塩基性」の薬剤として分類されます。

M3型ムスカリン受容体(ムスカリン受容体M3)

血管や臓器を形成する平滑筋の調整、涙液や唾液の分泌調整などを行う細胞の受容体です。この部位が刺激を受けると、涙液、唾液などの外分泌が促進されます。

MCTD(エム・シー・ティー・ディー)

混合性結合組織病(Mixed connective tissue disease)の略で、膠原病である全身性エリテマトーデス、強皮症(全身性硬化症)、多発性筋炎・皮膚筋炎が同一患者に同時あるいは経過とともに現れる疾患です。

Mたんぱく

抗体たんぱく(IgG、IgM、IgA、IgE、IgD)の中の一部が異常に増加した状態で、いくつかの疾患で血中に高率に検出されることがわかっています。シェーグレン症候群でも、精密に分析すると、Mたんぱくが微量に存在していることが確認されることがあり、治療計画の参考データになります。

MTX(エム・ティー・エックス)

メトトレキサート(英語名Methotrexate)という薬剤の略称です。抗リウマチ薬に属し、抗リウマチ作用が強力な薬剤に分類されます。効力が強い分、副作用にも注意を要しますので、専門医による経過観察が大切です。

嚥下障害

食物などを飲み込みにくい状態のことです。食道部位の疾患をはじめ、様々な原因が考えられますが、シェーグレン症候群による口腔乾燥症(ドライマウス)によって生じることがあります。

炎症

組織・細胞が傷害を受けた後に生体が示す反応です。通常は、原因となった刺激を除去することで反応は消失します。しかし、自己免疫疾患の場合には、炎症が自分自身に対する免疫反応であることから除去が難しく、反応が慢性的で、ときに激しいこともあるため、適宜この反応を抑制する「抗炎症薬」が用いられます。

炎症の四大徴候

「局所の発赤」「熱感」「腫脹」「疼痛」の4症状です。

おおいつき眼鏡(モイスチャーエイド)

眼乾燥症(ドライアイ)の患者さん向けに作られた保湿加工を施した特殊な眼鏡です。構造としては、眼鏡の縁をゴーグルのようにおおって涙液の蒸発を防ぎ、さらに加湿用のスポンジを付けることで、湿潤を保ちます。

オーラノフィン

抗リウマチ薬に属する経口の金製剤で、抗リウマチ作用が軽度の薬剤に分類されます。

オキサプロジン

非ステロイド性抗炎症薬に属し、「プロピオン系」の薬剤として分類されます。

ページの先頭へ戻る

病気の基礎知識 診断と治療 患者さんへのアドバイス専門医リスト よくあるご質問 関連医学用語集関連書籍監修者コラム