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関連医学用語集

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バイオプシー(Biopsy)

診断のために組織の一部を採取して顕微鏡による病理組織学的検査を行うことです。「生検」(せいけん)と呼ぶこともあります。顕微鏡による詳細な調査によって、より精密な診断が可能となります。シェーグレン症候群でも、より正確な診断をするために、口唇小唾液腺組織や涙腺組織の小片を顕微鏡で検査することが必要です。

肺線維症

間質性肺炎(肺胞と肺胞の間にある間質と呼ばれる部分にリンパ球を中心とした細胞浸潤が生じて炎症が起きている状態)の病状が進行した状態です。肺組織内に硬く線維化した部分が増えた状態になり、肺機能の低下による呼吸障害が生じます。様々な原因で生じる疾患ですが、シェーグレン症候群に合併することがあります。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

咳を鎮め、痰を除去する作用を有する漢方薬です。シェーグレン症候群の口腔乾燥症(ドライマウス)において、唾液分泌を増加させるとする報告があり、よく使われます。

橋本 策(はしもと・はやり)

慢性甲状腺炎(橋本病)の発見者です(1881-1934)。1911〜1912年にかけて、甲状腺にリンパ腫様のリンパ球浸潤が著しい病変を有する疾患を発見し、この特徴を論文にまとめて学会誌に発表しました。後にこの業績が国際的に評価されて、疾患名には彼の名前が付けられました。

橋本病(慢性甲状腺炎)

自己免疫反応が甲状腺を攻撃して障害が起きる自己免疫疾患の一種です。発症すると特異な自己抗体(自分の甲状腺組織に対する抗体)が血中に出現するのが特徴で、甲状腺機能は徐々に低下します。他の自己免疫疾患を合併することが多いことも知られています。シェーグレン症候群に合併をすることがあります。

白血球

免疫系の中心的役割を果たす細胞で、異物を取り込む「食作用」、感染部に移動・集合していく「遊走作用」などが特徴です。「白血球」というのは、いくつかの免疫関連の細胞群の総称で、具体的には、「好中球」「リンパ球」「単球」「好酸球」「好塩基球」など、数種類の免疫細胞群をまとめてこのように呼んでいます。

バファリン

非ステロイド性抗炎症薬の代表的薬剤である「アスピリン」と、「ダイアルミネート」という胃薬を2層に合わせた配合剤の商品名です。

パラフィン

炭化水素の総称ですが、通常は熱を加えると溶けやすいものを指します。医療用の製品が一般の薬局で市販されており、強皮症(全身性硬化症)の指や関節リウマチの患部を温める「パラフィン浴」をする際などに用いられます。

唾液腺ホルモン製剤

哺乳動物の唾液腺から抽出した唾液腺ホルモンを医薬品にしたもので、初期老人性白内障及び進行性指掌角皮症の治療薬として用いられます。

ヒアルロン酸ナトリウム・関節内注入剤

変形性関節症の治療に用いられる薬剤で、患部の関節内に薬剤を直接注入して用いられます。関節組織及び関節軟骨部の被覆・保護作用によって効力を発揮します。

PBC(ピー・ビー・シー)

原発性胆汁性肝硬変(Primary biliary cirrhosis)の略称で、肝臓内に慢性炎症と線維化と呼ばれる組織の変性が生じることで胆汁排泄障害などが生じる疾患です。皮膚のかゆみや黄疸とともに、血中アルカリホスファターゼ値の上昇、ビリルビン値の上昇や抗ミトコンドリア抗体(M2)などの血液検査項目に異常が見られるようになるのが特徴です。また、症状のないものを無症候性PBCと呼び、予後は良好なのが特徴です。シェーグレン症候群に合併をすることがあります。

B細胞

液性免疫を担うリンパ球の一種で、T細胞からの指令を受けて、異物(抗原)に対する抗体(IgG、IgM、IgA、IgE、IgD)を産生し、攻撃をします。

皮下結節(リウマチ結節)

皮膚の下にできる1〜2cmほどの固いしこりで、関節リウマチの患者さんの約10%に見られる症状です。肘、膝など骨の突起部の皮下に生じることが多く、痛みがない点が特徴です。また、大きさが病状によって増大、縮小したり、消失することがあります。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

アスピリン、インドメタシンに代表される副腎皮質ステロイドに属さない抗炎症薬の総称で、英語名Nonsteroidal anti-inflammatory drugsを略して、エヌセイズ(NSAIDs)と呼ぶこともあります。数多くのものが開発されており、作用時間、作用の強さなどの効力に関して様々の薬剤があります。全般的に、抗炎症作用は副腎皮質ステロイドに比べると弱く、解熱・鎮痛作用をあわせもっているものも多く存在しています。また、使用に際しては、胃粘膜など消化管に対する副作用に注意を要します。

非ステロイド性抗炎症薬の座薬

肛門に挿入する形の薬で、非ステロイド性抗炎症薬でもいくつかの製品が発売されています。長所としては、胃腸を通らないで直接吸収されることによる速効性が挙げられます。一方、短所としては、内服薬と同じ副作用や直腸粘膜の刺激によって軟便や下痢が生じることがある点、関節リウマチなどで関節機能障害を有している場合には薬の肛門への挿入操作が困難な点が挙げられます。

ヒト白血球抗原(HLA)

ヒトの白血球表面上にある糖たんぱく質で抗原をリンパ球に提示する役割を有し、遺伝子によって人それぞれの型が決まります。血液型は、赤血球の型によって分類されていますが、これとほぼ同様の概念です。英語名Human Leukocyte Antigenを略して、HLAと呼ぶのが一般的です。シェーグレン症候群や関節リウマチの発生機序との関連が示唆されており、研究が進められています。

ヒドロコルチゾン

作用時間が短いタイプに属する副腎皮質ステロイドです。副腎皮質ステロイドの中では、抗炎症作用、抗リウマチ作用とも弱めです。

皮膚乾燥症

皮膚面の異常乾燥が生じている状態で痒みの原因となることが多くあります。シェーグレン症候群で起るかどうかは難しいところです。神経疾患、内分泌疾患など、いろいろな原因があります。

皮膚筋炎

膠原病に属し、筋肉内にリンパ球浸潤による炎症が生じて、筋肉の痛み、筋力の低下の他に、紅斑や隆起性発疹など特徴的な皮膚病変を主症状とする疾患です。シェーグレン症候群に合併することがあります。

非ホジキンリンパ腫

体内のリンパ組織に腫瘍ができる疾患です。すなわち、リンパ腫の一つです。リンパ腫瘍は、「ホジキン病」と「非ホジキンリンパ腫」に大別され、診断基準や治療法が異なっています。日本人では「非ホジキンリンパ腫瘍」の割合が高く、逆に欧米人では「ホジキン病」の割合が比較的に高くなっています。
※リンパ組織:扁桃腺、頸部、わきの下、足の付け根など比較的体の表面に近い所から、脾臓、消化器など臓器に至るところまで、体内の様々な場所に存在する免疫を司る組織。

ピロカルピン塩酸塩

緑内障用の点眼薬として局所部位にも使用されて来ました。放射線照射後およびシェーグレン症候群の口腔乾燥症(ドライマウス)を改善する薬剤として日本でも使用できるようになりました。セビメリン塩酸塩水和物と同様に唾液腺にあるムスカリン受容体を刺激することで、唾液の分泌を促進します。

ピロキシカム

非ステロイド性抗炎症薬に属し、「オキシカム系」の薬剤として分類されます。

貧血

いろいろな原因で赤血球が減少した状態のことで、貧血の検査値としては、血液中のヘモグロビン値が用いられます。シェーグレン症候群に貧血(ヘモグロビン値の低下)が認められることがあります。

van Bijsterveld score(ファン-ビスタベルド・スコア)

角結膜上皮を検査するローズベンガル染色試験において、障害の生じている程度を点数化させ、定量的にするための基準です。実際の評価にあたっては、9点満点で評価を行い、我が国のシェーグレン症候群診断基準では、3点以上を異常と判定しています。

Focus score(フォーカス・スコア)

顕微鏡による病変部の評価の際に用いられる基準のことです。例えば、シェーグレン症候群の唾液腺及び涙腺に関しては、腺組織内の導管と呼ばれる部位を中心に4mm²の範囲内で50個以上のリンパ球(免疫細胞の一種)の浸潤が見られる状態を「1 focus」と定義しています。

副腎

腎臓の上端にある小器官で、副腎皮質と副腎髄質から構成されています。ホルモンなど生理作用を有した様々な物質を分泌する臓器です。

副腎皮質ステロイド

副腎皮質ホルモンと同義語です。医薬品として用いられているのは、副腎から分泌されるホルモンを化学合成したもので、強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を有し、リウマチ性疾患をはじめとした多くの疾患の治療に欠かせない薬物です。作用の強さ、作用持続時間などに様々なタイプのものがあります。一般に有用性は高いのですが、副作用が軽微なものから重度なものまで多岐に渡っていることから、専門医が治療経過を見ながら投薬の継続や変更・中止などをコントロールしていくことが大切です。自己判断で服用を中止することは危険です。

副腎皮質ホルモン

副腎皮質ステロイドと同義語です。医薬品として用いられているのは、副腎から分泌されるホルモンを化学合成したもので、強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を有し、リウマチ性疾患をはじめとした多くの疾患の治療に欠かせない薬物です。作用の強さ、作用持続時間などに様々なタイプのものがあります。一般に有用性は高いのですが、副作用が軽微なものから重度なものまで多岐に渡っていることから、専門医が治療経過を見ながら投薬の継続や変更・中止などをコントロールしていくことが大切です。自己判断で服用を中止することは危険です。

ブシラミン

抗リウマチ薬に属し、抗リウマチ作用が中程度の薬剤に分類されます。通常、投与開始後1〜2ヶ月で効果が現れてきます。

不明熱

医学的には、受診時に検査をしても原因が明確でないまま、38.3℃以上の熱が3週間以上続く状態のことです。こうした「不明熱」の約20%がリウマチ性疾患によって生じると言われています。全身性エリテマトーデスの患者さんにおいて38度以上の発熱が現れることがあります。

ブラジキニン

疼痛と深い関係のある生体内物質で、痛みを発する度合いを強める働きがあります。

プラノプロフェン

非ステロイド性抗炎症薬に属し、「プロピオン系」の薬剤として分類されます。

フルフェナム酸

非ステロイド性抗炎症薬に属し、「アントラニール酸系」の薬剤として分類されます。

フルルビプロフェン

非ステロイド性抗炎症薬に属し、「プロピオン系」の薬剤として分類されます。

プレドニゾロン(プレドニソロン)

作用時間が中程度のタイプに属する副腎皮質ステロイドです。副腎皮質ステロイドの中では最もよく処方され、抗炎症作用、抗リウマチ作用とも中程度です。

プログルメタシン

非ステロイド性抗炎症薬に属し、「インドール酢酸系」の薬剤として分類されます。

プロスタグランジン

様々な生理作用を有する生体内の物質です。炎症と深い関係があり、この物質の有する血管拡張作用、血流増加作用、血管透過性増強作用は、炎症の四大徴候(局所の発赤、熱感、腫脹、疼痛)発生の際の大きな要素となっています。炎症は、生体の防御機構にとって本来は重要な現象です。プロスタグランジンは、有害物質ではありませんが、自己免疫疾患などにおいて炎症を弱めたい場合には、この物質を抑制する作用などを有する抗炎症薬が投与されます。

ブロムヘキシン(ブロムヘキシン塩酸塩)

急性及び慢性の気管支炎などに使用される薬で、気管粘膜の分泌腺を刺激することで作用を発揮します。シェーグレン症候群の口腔乾燥症(ドライマウス)において、唾液分泌を増加させるとする報告もあります。

β-エンドルフィン

生体内に分泌される物質で、脳内モルヒネとも呼ばれます。この物質には、鎮痛作用や安らぎを感じる作用があり、笑ったり楽しんでいる時に分泌されると言われています。

ベタメタゾン

作用時間が長時間のタイプに属する副腎皮質ステロイドです。副腎皮質ステロイドの中では、抗炎症作用、抗リウマチ作用とも強力で速効性です。

ペニシラミン(D-ペニシラミン)

抗リウマチ薬に属し、抗リウマチ作用が中程度の薬剤に分類されます。

ホジキン病

体内のリンパ組織に腫瘍ができる疾患です。すなわち、リンパ腫の一つです。リンパ腫瘍は、「ホジキン病」と「非ホジキンリンパ腫」に大別され、診断基準や治療法が異なっています。日本人では「非ホジキンリンパ腫瘍」の割合が高く、逆に欧米人では「ホジキン病」の割合が比較的に高くなっています。
※リンパ組織:扁桃腺、頸部、わきの下、足の付け根など比較的体の表面に近い所から、脾臓、消化器など臓器に至るところまで、体内の様々な場所に存在する免疫を司る組織。

補体(ほたい)

免疫関連たんぱくの一種で、免疫反応を高める補助的な役割を担います。具体的には、「細胞融解作用」「免疫担当細胞を集める作用」などがあります。

ホリナートカルシウム

メトトレキサート(MTX)の毒性を軽減する薬で、主にメトトレキサート(MTX)を大量投与する時に使用します。

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