トップページ > 監修者コラム > シェーグレン症候群(SS)の難病指定に寄せて
日本で難病制度がスタートしたのは、田中角栄首相の頃のことでした。
世界に類を見ない制度として賞賛される一方、医者の立場からすると1年たったの100万円の予算で難病の治療法が確立できるはずもなかろうと、官僚側との温度差を感じたものでした。
難病制度は当初は研究目的がメインでしたが、徐々に患者福祉と捉えられ予算の半分くらいを占めるに至りました。
平成5年、混合性結合性組織病が指定難病として決まりました。次はシェーグレン症候群だと関係者うちで沸いたものの、一抹の心配はありました。それは難病指定の患者数が多くても5万人とのことだったからです。そこで、全身性エリテマトーデスとしてシェーグレン症候群の患者さんの一部を受け入れてもらうしかないだろうと思わずにはいられませんでした。しかし、実際には全身性エリテマトーデスでも難病指定の話は来ませんでした。
当時は世の中の景気も最悪でしたし、シェーグレン症候群の難病指定についての情報を耳にすることもなく、諦めムードで見ていました。
しかし、平成27年1月1日から、難病医療費助成制度の対象疾病(指定難病)が既存の110疾病に196疾病が追加(306疾病に拡大)され、シェーグレン症候群及び全身性エリテマトーデスも指定難病になりました。
指定難病の医療費も自己負担割合が3割から2割に引き下げられましたので、患者さんの負担軽減の一助になればと思います。
指定難病の医療費助成の支給認定を受けるには「診断書」をつけて自治体の窓口への申請が必要です。
指定難病の医療費助成手続は下記のサイトで詳しく説明されています。
IBD-INFO(潰瘍性大腸炎・クローン病の情報サイト)
最新情報は厚生労働省のHPで確認ください。
厚生労働省(指定難病)