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シェーグレン症候群で注意すべき状態

シェーグレン症候群は全身性の疾患で、症状も病態も人によりいろいろの違いがある幅広い疾患です。したがってシェーグレン症候群は、たくさんの顔を持つ疾患(multi-facial disease)とも言われます。シェーグレン症候群の長い経過中に全身性エリテマトーデス(SLE)を発症したり、関節リウマチを合併したりする方が時々あります。SLEの場合はステロイドを中心とした治療が前面に出ますし、関節リウマチのひどい場合は現在日本で点滴注射や皮下注射による4剤の生物製剤が使われます。

シェーグレン症候群の多くの方は慢性の状態で10年経っても変化のないのが普通です。しかし、中には病変に活動性があり、新しい病気を合併してくる方があります。10代や20代にシェーグレン症候群を発症したり、下記のような異常がある方は特に定期的な診察を忘れないで続けてほしいと思います。

  • 腺病変:耳下腺の腫れ、ドライアイの急速な進行
  • 全身性病変:発熱、多発関節炎、間質性肺炎、間質性腎炎、血管炎(高γグロブリン血症性紫斑病、多発性神経炎、皮膚潰瘍)、多発単神経炎、中枢性神経病変
  • 検査値: IgG高値、リウマトイド因子(RF)高値、抗SS-A抗体や抗SS-B抗体の高値、補体(C3,C4, CH50)の低値、M蛋白血症の存在
  • 唾液腺生検:炎症がひどい時(フォーカススコアの高値、リンパ上皮性病変やリンパ濾胞の存在)

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