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難病医療費助成制度の発足から、シェーグレン症候群の対象疾病(指定難病)指定(平成27年1月1日)に至るまでの道のりを振り返っての所感。
シェーグレン症候群は全身性の疾患で、症状も病態も人によりいろいろで幅広い疾患です。したがってシェーグレン症候群は、たくさんの顔を持つ疾患(multi-facial disease)とも言われます。
ヘルペスウィルスの一種であるEBウィルス(Epstein-Barr Virus)がシェーグレン症候群や慢性疲労症候群の原因となっているのではないかという研究が大きな話題になったことがあった。シェーグレン症候群では、約 60%のケースで易疲労感が生じるため、EBウィルスによってこの両者を結ぶ因果関係には興味深いものがある。
副腎皮質ホルモンは、今日の医療現場において欠かせない薬理活性物質となっている。初めて副腎皮質ホルモンが臨床応用されたのは1948年であるので、実に半世紀以上が過ぎたことになる。
さて、この当時の歴史を紐解いてみると、ライバル研究者同士の熾烈な争いがあったようで興味深い。特に、ライバルに大きく水をあけられていた研究者がとった起死回生の手段が面白い。
シェーグレン症候群のルーツは、19世紀後半から20世紀半ばにかけての欧州医学界にある。当時、欧州には多数の日本人医学者達が留学をしていたため、シェーグレン症候群に関する情報は何らかの形で国内に持ち込まれていたことが推察される。